26 歳の女性。
幼少期は手がかからず、人見知りはなかった。
小学校では友人とのおしゃべりが苦手で、一人で読書をすることを好んだ。
中学校では、場の雰囲気に合わせて対応できず、孤立しがちで、一時不登校となった。
成績は優秀で理系の大学院を修了後、大手企業に就職した。
しかし、上司に接客態度を注意され、同僚とも馴染めず、 1 か月で退職した。
急な退職を心配した両親に付き添われ精神科を受診した。
この患者の生活歴から最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
幼少期から人との会話が苦手で一人で過ごすことを好み、場の雰囲気に合わせられずに孤立してきた経過です。
成績は優秀でも、接客や同僚との関係といった社会的な場面でつまずいています。
生まれつきの対人関係とコミュニケーションの特性が、生活歴全体を通して一貫しています。
【選択肢別解説】
1:× うつ病は、抑うつ気分や意欲低下が一定期間続く気分障害です。
幼少期から続く対人特性を説明できず、本例の生活歴に抑うつの記載もありません。
2:○ 自閉症スペクトラム障害は、社会的コミュニケーションの困難と、限られた興味やこだわりを特徴とする発達障害です。
言語や知的能力に遅れがない場合は、社会に出て対人場面が増えてから問題が表面化することがあります。
本例の生活歴に最もよく当てはまります。
3:× 双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す気分障害です。
本例には気分の波を示すエピソードがありません。
4:× 統合失調症は、思春期以降に幻覚や妄想などで発症する精神疾患です。
本例には幻覚や妄想がなく、幼少期からの特性は説明できません。
5:× パニック障害は、突然の動悸や息苦しさを伴う強い不安発作を繰り返す障害です。
本例には発作の記載がありません。
【ポイント】
生活歴の問題では「いつから続いている特性か」に注目します。
幼少期から一貫した対人関係の困難は、発達障害を第一に考える手がかりです。