55 歳の男性。
中学校教員。
元来、几帳面で真面目な性格。
半年前から経験のないバレー部の顧問を任され、心労が重なっていた。
2 か月前から早朝覚醒、食欲低下が出現し、抑うつ気分を自覚していた。
1 か月前から 「どうやって授業をすればよいか分からない。死んで生徒にお詫びをしたい」 などと述べるようになった。
妻に付き添われて精神科を受診後、入院となり、薬物療法が開始となった。
入院 2 週後から作業療法が開始された。
作業療法開始時の対応で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
几帳面で真面目な性格の人が、負担の大きい役割を機に早朝覚醒や食欲低下、抑うつ気分、希死念慮を示しています。
うつ病で入院し、薬物療法を始めて2週後の急性期から回復期へ移る時期です。
この時期の作業療法では、十分な休息をとることが治療の基本となります。
【選択肢別解説】
1:× 気分のよい日に服薬をやめると、症状の再燃を招きます。
抗うつ薬は、症状が改善した後もしばらく継続することが原則です。
2:○ うつ病の回復には、心身を休ませることが欠かせません。
真面目な人ほど休むことに罪悪感を抱きやすいため、休息が治療の一部であることを説明します。
この時期の対応として適切です。
3:× 集団でのスポーツは、体力的にも対人的にも負荷が大きい活動です。
周囲についていけないと自責感を強めるため、開始時に優先する活動ではありません。
4:× 授業のやり方の相談は、発症のきっかけとなった仕事の悩みに直接向き合わせることになります。
焦りや自責感を強めるため、この時期には適しません。
5:× うつ病の急性期には、退職などの重大な決定は先送りするのが原則です。
判断力が低下している時期に退職を勧めることは不適切です。
【ポイント】
うつ病の急性期の対応は「休息を保障する」「重大な決定は先送りする」「励まさない」が基本です。
服薬の継続の大切さも、本人と家族に繰り返し伝えます。