72 歳の女性。
右利き。
左被殻出血後6 週が経過した。
現在、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。
Brunnstrom 法ステージは右上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅳ であり、座位保持は自立している。
言語理解と発語に問題はない。
食事動作は FIM で6 、更衣(上半身)は3 であった。
興味関心チェックシートでは「料理」や「園芸」への関心が示されていた。
作業療法で最も適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
利き手側の麻痺が重く、回復の見込みが限られる片麻痺患者に対する作業療法を問う問題です。
本例は右利きで、左被殻出血による右片麻痺(上肢Ⅲ・手指Ⅱ)が発症6週の時点で残っています。
手指ステージⅡのままでは、右手を実用的に使えるまで回復する見込みは低いと考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 集団活動は意欲や交流の向上に役立ちますが、現時点で優先すべき課題ではありません。
まず更衣など介助が必要な生活動作や、本人の関心のある活動に個別に取り組みます。
2:○ 利き手の右手が実用手になりにくいため、左手で書字や箸操作、調理などを行えるよう利き手交換訓練を行います。
「料理」や「園芸」といった関心のある活動にも、左手を使って取り組めるようになります。
3:× 発症6週で手指がステージⅡにとどまっており、機能回復だけを優先するのは適切ではありません。
麻痺の回復を待つ間に、生活に必要な動作の獲得が遅れてしまいます。
4:× 食事動作はFIMで6点(修正自立)であり、すでにほぼ自立しています。
積極的に訓練する必要は低く、3点の更衣(上半身)などのほうが課題です。
5:× 園芸は本人の関心が高い活動です。
入院中から作業療法に取り入れることで意欲を高め、退院後の生活にもつながります。
【ポイント】
発症からの期間と麻痺の重さから回復の見通しを立て、実用手が見込めなければ利き手交換を早めに始めます。
FIMは7点が完全自立、6点が修正自立(補助具の使用や時間がかかる)であることも確認しておきましょう。