小学3 年生の男児。
知能検査では全般的な知的発達に遅れは認めない。
1 年生のころから読み書きに強い困難を抱えている。
文章を読む際に流暢に正しく読むことが難しく、音読が極端に遅い。
漢字の書き取りも苦手で、黒板の文字の書き写しに時間がかかる。
保護者は「家では普通に会話もでき、計算などは問題ない」と話している。
この患児の障害で最も考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
知的発達に遅れがなく、読み書きに限って強い困難がある児の障害を問う問題です。
本例は会話や計算には問題がなく、音読が極端に遅いこと、漢字の書き取りや板書の書き写しが苦手なことが特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 素行症(素行障害)は、人や動物への攻撃、物の破壊、窃盗、重大な規則違反などを繰り返す障害です。
本例には反社会的な行動はみられません。
2:× 反抗挑発症(反抗挑戦性障害)は、怒りっぽさや口論、大人への反抗的な態度が続く障害です。
本例では行動面の問題は示されていません。
3:○ 限局性学習症(限局性学習障害)は、全般的な知的発達に遅れがないのに、読む・書く・計算するなど特定の学習技能に著しい困難がある障害です。
本例は、読み(流暢さの障害)と書き(漢字の書き取りや書き写し)に困難があり、読字障害(ディスレクシア)を中心とした限局性学習症に一致します。
4:× 脱抑制型対人交流症(脱抑制性愛着障害)は、不適切な養育を背景に、見知らぬ大人にもためらいなく近づくなどの行動を示す障害です。
本例の読み書きの困難とは関係がありません。
5:× 反応性アタッチメント症(反応性愛着障害)は、不適切な養育を背景に、苦痛を感じても養育者に慰めを求めないなどの行動を示す障害です。
本例とは合いません。
【ポイント】
限局性学習症は「知的発達の遅れがない」「特定の学習技能だけが困難」という2点が診断の鍵です。
読字・書字表出・算数の3つの領域で困難が現れます。