27 歳の男性。
統合失調症。
大学卒業後、アルバイト経験はあるが、短期間での離職を繰り返している。
最近、主治医の指示で精神科デイケアに通所し、就労に向けて準備を進めることになった。
デイケアでは、作業に関する質問ができず、一方的に他患に話すなどの様子が見られた。
この患者に行うプログラムで最も適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
デイケアで就労準備をする統合失調症の患者に、観察された課題に合ったプログラムを選ぶ問題です。
本例は作業について質問ができず、一方的に他患に話すなど、対人場面でのコミュニケーション技能に課題があります。
【選択肢別解説】
1:× ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム)は、重い精神障害のある人の生活の場へ多職種チームが訪問して支援する仕組みです。
デイケアに通所できている本例のコミュニケーションの課題に直接対応するものではありません。
2:× IPS(Individual Placement and Support:個別就労支援プログラム)は、一般就労を希望する人に早期から職探しを行い、就職後も継続して支援する援助付き雇用のモデルです。
就労を目指す点では関係しますが、本例で観察された質問ができない、一方的に話すという技能の課題を練習するプログラムではありません。
3:× NEAR(Neuropsychological Educational Approach to cognitive Remediation)は、コンピュータ課題などを用いて注意や記憶などの認知機能の改善を図る認知機能リハビリテーションです。
本例の課題は、主に対人技能です。
4:○ SST(Social Skills Training:社会生活技能訓練)は、ロールプレイなどで対人場面での具体的な行動を練習する方法です。
「わからないことを質問する」「相手の話を聞いてから話す」といった技能を練習でき、就労に必要なコミュニケーションの向上に役立ちます。
5:× TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children)は、自閉スペクトラム症の人を対象に、環境を構造化して支援するプログラムです。
統合失調症の本例には適しません。
【ポイント】
ACTは訪問型の包括的な地域生活支援、IPSは援助付き雇用、NEARは認知機能リハビリテーションです。
SSTは社会生活技能訓練、TEACCHは自閉スペクトラム症の構造化による支援と整理しましょう。