65 歳の女性。
台所の段差でつまずき転倒し、左大腿骨近位部骨折。
後方進入法にて人工骨頭置換術を施行し、自宅退院に向けて作業療法を開始した。
この患者のADL 指導の内容で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
後方進入法で人工骨頭置換術を受けた患者のADL指導を、図の動作から選ぶ問題です。
後方進入法では、股関節の深い屈曲・内転・内旋が組み合わさる肢位で後方脱臼が起こりやすくなります。
患側は左です。
【選択肢別解説】
1:× 低い椅子に座ったまま体幹を深く前に倒し、足先に両手を伸ばして靴下をはいています。
股関節が深く屈曲し、内転・内旋も加わりやすいため脱臼の危険があります。
ソックスエイドなどの自助具を使うよう指導します。
2:○ 床に座り、股関節を屈曲・外転・外旋させたあぐらに近い姿勢で足を体の前に引き寄せ、爪を切っています。
外旋位は後方脱臼が起こりにくい肢位なので、後方進入法の術後に適した方法です。
3:× 手すりを持って階段を上っていますが、図では手前側(左側)の下肢を先に上の段へ上げています。
上りは健側(右)から、下りは患側から行うのが原則です。
4:× 図では左手で杖を持っています。
杖は健側(右)の手で持ち、患側の下肢と一緒に前へ出すのが基本です。
5:× 深くしゃがみ込んで床を拭いています。
股関節の深い屈曲となり、脱臼の危険が高い動作です。
長柄のモップを使うなど、しゃがまない方法を指導します。
【ポイント】
後方進入法は「屈曲・内転・内旋」、前方進入法は「伸展・内転・外旋」が脱臼肢位です。
階段は「上りは健側から、下りは患側から」、杖は健側で持つと覚えます。