60 歳の男性。
会社員。
直腸癌の術後で人工肛門を造設した。
現在、抗がん剤治療中で倦怠感と下肢筋力低下があるが、病棟内での歩行は見守りレベルで可能。
人工肛門のパウチ交換手順のトレーニングを始めた。
入院前と同じ部署への復帰を希望している。
この患者に対する作業療法の初期対応で最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
抗がん剤治療中で倦怠感と下肢筋力低下がある、がん患者の作業療法の初期対応を問う問題です。
がん関連の倦怠感には、活動量を調整して疲労をため込まないことが基本になります。
【選択肢別解説】
1:× 化学療法中で倦怠感が強い時期に高負荷の持久力訓練を行うと、疲労が増して体調を崩すおそれがあります。
運動は低〜中等度の負荷から始めます。
2:× 食事量を半分に減らすと、低栄養や筋力低下が進みます。
がん治療中は栄養状態を保つことが重要です。
3:× パウチ交換は退院後や職場で必要になるADLです。
作業療法士も看護師と連携し、手指の操作や実施しやすい手順・環境の工夫で関わります。
4:× 職場の現地評価は復職支援に役立ちますが、治療中で体調が安定していない初期に行うのは早すぎます。
まず体力と生活リズムを整えることが優先です。
5:○ 活動と休息を計画的に組み合わせる方法(エネルギー温存・ペーシング)は、がん関連の倦怠感への基本的な対応です。
疲労を管理しながら活動量を保つことで、復職に必要な体力の回復にもつながります。
【ポイント】
がんのリハビリテーションでは、治療の時期や副作用に合わせて負荷を調整します。
倦怠感に対しては、活動の優先順位づけ・休息の計画・動作の簡略化を指導します。