次の文で示す症例について、問題79、問題80の問いに答えよ。
「45歳の男性。最近、心窩部から背中の皮膚にかけて痛みが起きる。胸やけ、食欲不振もある。上部消化管内視鏡検査では、胃角部に潰瘍を認め、ヘリコバクター・ピロリの感染を疑った。」本症例の背中の皮膚の痛みで最も適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
症例文では「心窩部から背中の皮膚にかけて痛み」があり、内視鏡で「胃角部に潰瘍」が見つかっています。
胃潰瘍という内臓の病変があるのに、離れた背中の皮膚に痛みを感じている点が判断の根拠です。
【選択肢別解説】
1:× 空腹時に痛みが起こりやすいのは十二指腸潰瘍の特徴です。
胃潰瘍では食後に痛むことが多く、また背中の皮膚の痛みの性質を説明するものでもありません。
2:○ 関連痛は、内臓からの痛みの信号が同じ脊髄分節に入る皮膚からの信号と混同され、その皮膚の領域に痛みとして感じられる現象です。
胃の病変による背中の皮膚の痛みは関連痛にあたります。
3:× 体性痛は、皮膚や筋、骨膜など体の組織そのものが刺激されて起こる痛みです。
本症例の背中の皮膚自体には病変がないため、体性痛ではありません。
4:× 内臓痛は、内臓そのものに由来する鈍く場所のはっきりしない痛みです。
心窩部の痛みは内臓痛ですが、背中の皮膚に現れる痛みは関連痛と呼びます。
【ポイント】
関連痛の代表例は、狭心症で左肩から左腕が痛む例や、胆石症で右肩が痛む例です。
鍼灸では、関連痛の現れる皮膚の領域が反応点として重視されます。