次の文で示す症例で罹患筋を対象に施術する場合、最も適切なのはどれか。
「32歳の男性。野球チームでピッチャーをしている。最近、投球動作でフォロースルー期に肩後方の痛みを感じるようになった。」
正答4
解説
正解は4です。
投球動作の時期と痛みの部位から、罹患筋を推定する問題です。
フォロースルー期は、ボールを離した後に腕が前方へ振り抜かれる時期です。
このとき肩後方の外旋筋が、腕の振りにブレーキをかけるために強く引き伸ばされながら収縮します。
そのため肩後方の腱板である小円筋や棘下筋に負担がかかります。
【選択肢別解説】
1:× 前鋸筋は胸郭の側面にあり、肩甲骨を外転・上方回旋させる筋です。
痛みは胸の側面に出やすく、肩後方の痛みの原因筋としては考えにくいです。
2:× 小胸筋は胸の前面にあり、肩甲骨を前下方に引く筋です。
肩の前方に位置するため、肩後方の痛みの罹患筋には当たりません。
3:× 肩甲下筋は肩甲骨の前面にある内旋筋です。
加速期の内旋で働く前方の筋で、フォロースルー期の肩後方痛とは合いません。
4:○ 小円筋は肩甲骨外側縁から起こる肩後方の外旋筋です。
フォロースルー期に腕の減速のため遠心性に収縮して負担を受け、肩後方の痛みを起こします。
【ポイント】
投球障害は、後期コッキング期では肩の前方、フォロースルー期では肩の後方に痛みが出やすいです。
フォロースルー期の肩後方痛は、小円筋・棘下筋と後方関節包の障害を考えましょう。