次の文で示す患者の病証に対する治療穴で最も適切なのはどれか。
「65歳の男性。1週間前に食べ過ぎて胃のもたれ感の後、右上の奥の歯茎が腫れて痛むようになってきた。腹診では上腹部に緊張と熱感がみられ、右関上の脈は滑数。舌質はやや紅、中央に黄厚賦苔。」
正答2
解説
正解は2です。
食べ過ぎの後に上の歯茎が腫れて痛み、上腹部の緊張と熱感があります。
右関上(胃の脈位)の滑数、舌質やや紅、黄厚膩苔はいずれも胃の実熱を示します。
足の陽明胃経は上歯中に入るため、胃経の熱を冷ます治療が適します。
滎穴は『難経』六十八難で「身熱を主る」とされ、熱を除くのに用います。
【選択肢別解説】
1:× 腎経の滎火穴は然谷です。
腎経は上歯に入らず、本症例の胃熱とも関係しません。
2:○ 胃経の滎水穴は内庭です。
上歯を通る胃経の滎穴であり、水穴として熱を冷ます作用が期待できるため最適です。
3:× 大腸経の滎水穴は二間です。
手の陽明大腸経が入るのは上歯ではなく下歯なので、上の歯茎の痛みには合いません。
4:× 脾経の滎火穴は大都です。
脾経は歯に入らず、火穴は熱をさらに強める方向の配穴になり不適切です。
【ポイント】
上歯は足の陽明胃経、下歯は手の陽明大腸経と覚えます。
胃熱による歯痛の代表的な治療穴は内庭です。