次の文で示す症例に対する治療穴で最も適切なのはどれか。
「35歳の女性。職業は事務員。右前腕前面近位部の疼痛と第1指から第4指橈側半の掌側および母指球にしびれがある。前腕の回内動作に抵抗を加えると症状が増悪する。ファレンテスト陰性。」
正答2
解説
正解は2です。
しびれが母指から環指橈側半の掌側にあり、正中神経の障害と考えられます。
母指球のしびれは手根管より近位で分かれる掌枝の領域なので、障害部位は手根管より上と考えます。
前腕前面近位部の痛みが回内への抵抗で増悪し、ファレンテストが陰性なので、円回内筋症候群が疑われます。
【選択肢別解説】
1:× 手三里は前腕後外側、肘窩横紋の下方2寸にあります。
橈骨神経と伸筋群の領域で、正中神経の絞扼部位ではありません。
2:○ 孔最は前腕前外側、尺沢と太淵を結ぶ線上で手関節掌側横紋の上方7寸にあります。
前腕近位の前面で円回内筋に近く、正中神経が絞扼される部位の局所治療穴として最も適切です。
3:× 大陵は手関節掌側横紋上で手根管の入口にあります。
ファレンテストが陰性で手根管症候群は否定的なため、局所治療穴として適しません。
4:× 四瀆は前腕後面、肘頭の下方5寸で橈骨と尺骨の間にあります。
伸筋群の上で後骨間神経の領域であり、正中神経の絞扼部位ではありません。
【ポイント】
手根管症候群では母指球の感覚は保たれやすく、円回内筋症候群では母指球にもしびれが出ます。
回内への抵抗で痛みが増すことは、円回内筋症候群を示す手がかりです。