「80歳の男性。1年前から夜間に人や子どもが見え、本当に人がいるように話しかけることもある。半年前から次第に動作が鈍くなってきた。最近は物忘れも出現している。」
本症例で動作が鈍くなってきた原因として正しいのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
高齢男性の症例から認知症のタイプを推定し、動作が鈍くなった原因を問う問題です。
症例文の「夜間に人や子どもが見え、本当に人がいるように話しかける」はありありとした幻視です。
「次第に動作が鈍くなってきた」「最近は物忘れも出現」と合わせると、レビー小体型認知症が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 下肢筋力の低下では、幻視や認知機能の低下を説明できません。
動作全体が緩慢になる経過も、単なる筋力低下とは合いません。
2:× 歩行失行は、手足に麻痺がないのに歩き方そのものがわからなくなる状態です。
正常圧水頭症や前頭葉の障害でみられ、本症例の幻視を伴う経過とは合いません。
3:○ レビー小体型認知症では、パーキンソン病と同様にパーキンソニズムが現れます。
動作緩慢、筋強剛、小刻み歩行などが生じ、動作が鈍くなる原因になります。
4:× 深部感覚障害は脊髄後索や末梢神経の障害でみられ、ふらつきの原因になります。
本症例の幻視や認知機能低下を説明できません。
【ポイント】
レビー小体型認知症の中核的特徴は、幻視、パーキンソニズム、認知機能の変動、レム睡眠行動異常症です。
幻視が先行し、パーキンソニズムと記憶障害が続く経過が典型です。