次の文で示す症例に対して神経を介した治療部位として最も適切なのはどれか。
「52 歳の女性。 1 年前に子宮癌で摘出手術を受けた。転移はない。会陰部の痛みとともに、尿失禁も起こるようになった。」
正答2
解説
正解は2です。
子宮癌の術後に会陰部の痛みと尿失禁が起きており、陰部神経の障害が考えられます。
陰部神経は仙骨神経叢(S2〜S4)から起こり、坐骨棘の付近を回って会陰に向かいます。
この神経は会陰部の感覚と、外尿道括約筋の運動を支配しています。
神経を介した治療では、この陰部神経に鍼が到達する刺鍼点を選びます。
【選択肢別解説】
1:× 上後腸骨棘と大転子頂点の中点の下方4cmの点は、殿部の外側寄りの点です。
主に梨状筋や坐骨神経の周囲を狙う部位であり、陰部神経を刺激する刺鍼点ではありません。
2:○ 上後腸骨棘と坐骨結節下端内側を結ぶ線の上から50〜60%の点は、陰部神経刺鍼の刺入点です。
深部で陰部神経に到達でき、会陰部痛と尿失禁の両方に対する治療部位として最も適切です。
3:× 仙骨角と大転子頂点の中点は、大転子を基準にした殿部の点です。
主に坐骨神経の走行に近い部位であり、陰部神経を狙う刺鍼点ではありません。
4:× 尾骨先端と大転子頂点の中点も、大転子を基準にした殿部の点です。
坐骨神経の走行に近い部位であり、会陰部を支配する陰部神経を刺激する部位ではありません。
【ポイント】
陰部神経は、会陰部の感覚と外尿道括約筋・外肛門括約筋の運動を支配します。
陰部神経刺鍼は、会陰部痛や尿失禁、慢性前立腺炎などに用いられる神経刺激の方法です。