「18歳の男性。昨日雨に濡れ、その夜から悪寒、発熱、後頭部痛が出現した。脈は浮緊、舌は淡紅で薄白苔。咳、痰、鼻水はない。」
本症例の病証で最も適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
雨に濡れて外邪を受け、その夜から悪寒・発熱・後頭部痛が出た症例の病証を問う問題です。
悪寒と発熱が同時にあり、脈が浮であるのは、邪が体表にある表証の特徴です。
脈の緊は寒邪を示し、浮緊の脈は寒邪が体表を閉ざして汗が出ない表実の状態を表します。
【選択肢別解説】
1:× 肺気虚証は、息切れ、力のない咳、自汗、声に力がないなどを示す虚証です。
本症例は若年者の急な発症で、外邪による実証です。
2:× 手太陰経脈病証は、肺経に沿った咳や喘鳴、胸の張り、上肢前面の橈側の痛みなどを示します。
本症例には咳も痰もなく、肺経の症状がありません。
3:× 後頭部は足の太陽膀胱経が通るため、後頭部痛は太陽経の症状でもあります。
しかし悪寒・発熱・浮緊脈という全身の表証が主体なので、経脈病証よりも風寒表実証として捉えるのが最も適切です。
4:○ 風寒の邪が体表を侵した表証で、浮緊脈から寒邪による表実と判断できます。
咳や鼻水がなく邪がまだ体表にとどまっているため、風寒表実証が最も適切です。
【ポイント】
表証のうち、浮緊脈で汗がないものを表実証、浮緩脈で汗が出るものを表虚証と区別します。
舌が淡紅で薄白苔なのは、邪がまだ浅く熱に変わっていないことを示します。