「18歳の男性。主訴は頭痛。7日前に薄着で体が冷え、その日の夜から悪寒、発熱、頭痛を自覚し、風邪薬を飲んでも完治しない。咳と痰はなく、汗をかきやすい。舌は薄白苔、脈は浮緩。」
本症例に対する治療として適切なのはどれか。
正答1
解説
本問は採点除外(公式発表により複数正解:1又は4)です。
症例は風寒表虚証で、体表に風寒の邪がある一方、衛気が弱く汗が漏れ出ている状態です。
邪を追い出すことを優先するか、弱った衛気を補うことを優先するかで治療方針の考え方が分かれます。
そのため公式は、邪を除く1と、正気を補う4の両方を正解としました。
【選択肢別解説】
1:○ 背部兪穴を瀉して去風するのは、体表の風寒の邪を追い出す治療です。
風門や肺兪などの背部の経穴を用いて邪を除くことは、表証に対する基本的な治法です。
2:× 陰液を補うのは、表証ではなく肺陰虚証に対する治法です。
本症例には乾いた咳や舌紅少苔など陰液不足の所見がないため、適切ではありません。
3:× 経脈を疏通するのは、経脈の気血の流れが滞った経脈病証や痹証に対する治法です。
本症例の主な病態は体表の風寒と衛気の弱さなので、この治法は中心になりません。
4:○ 肺経の要穴を補して表を閉じるのは、弱った衛気を補って汗の漏れを止める治療です。
肺は皮毛を主り衛気を体表に行き渡らせるので、肺を補うことで腠理を引き締めます。
【ポイント】
表虚証は「邪がある」ことと「衛気が弱い」ことの両面をもつため、去邪と扶正のどちらにも根拠があります。
表実証では発汗させて邪を出し、表虚証では表を固めながら邪を除くと整理しておきます。