「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」
診察所見で適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
症例の診察所見を問う問題です。
症例文の「70歳」「後部座席の物を取った際に肩峰部に激痛」「他動的に外転させても自力で外転位を保持できない」が根拠です。
高齢者が軽い外力で受傷し、外転位を保てないことから、棘上筋を中心とした腱板断裂が考えられます。
【選択肢別解説】
1:○ ドロップアームテストは、他動的に外転させた腕を自分で保持させ、ゆっくり下ろせずに落ちれば陽性とする検査です。
腱板断裂で陽性になり、「自力で外転位を保持できない」所見と一致します。
2:× ペインフルアークサインは、外転の途中(約60〜120度)だけで痛みが出る所見で、主に腱板炎やインピンジメント症候群でみられます。
外転位を保持できないことの説明にはなりません。
3:× 肩関節の内旋筋力が低下するのは肩甲下筋の断裂です。
棘上筋の断裂で目立つのは外転筋力の低下です。
4:× 肩関節の内転筋(大胸筋・広背筋など)は腱板ではないため、腱板断裂で内転筋力は低下しません。
【ポイント】
腱板は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの腱からなり、最も断裂しやすいのは棘上筋です。
腱板断裂では、外転時の痛みと筋力低下、夜間痛がみられます。