次の文で示す症例で将来起こりうる徴候はどれか。
「生後 6 か月の乳児。仰臥位で寝かせたときに右の大腿皮膚溝が左と比べて数が多く、深く、長い。右股関節の開排制限もある。」
正答1
解説
正解は1です。
大腿皮膚溝の左右差と股関節の開排制限は、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)を疑う所見です。
右側の皮膚溝が多く深いことと右の開排制限から、右股関節の脱臼が考えられます。
【選択肢別解説】
1:○ アリス徴候は、仰臥位で両膝を立てたときに患側の膝の高さが低くなる徴候です。
脱臼により患側の大腿骨頭が後上方へずれ、大腿が短く見えるために生じます。
2:× ガワーズ徴候は、床から立ち上がるときに手で膝や大腿を押し、体をよじ登るように立つ徴候です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど、近位筋の筋力低下でみられます。
3:× レルミット徴候は、頸部を前屈させたときに背部から四肢へ電撃痛が走る徴候です。
多発性硬化症や頸髄の病変でみられます。
4:× ロンベルグ徴候は、閉眼で立位をとると身体の動揺が大きくなる徴候です。
脊髄癆などによる深部感覚障害(脊髄性運動失調)でみられます。
【ポイント】
発育性股関節形成不全では、開排制限、大腿皮膚溝の非対称、アリス徴候、クリックサインを確認します。
歩行開始後は、トレンデレンブルグ徴候による跛行がみられるようになります。