AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し、BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○が答え(誤った記述)です。
適法な転貸借がある場合の、賃貸人と転借人の関係を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 誤った記述です。
賃借人の賃料不払を理由に解除するとき、賃貸人は賃借人に催告すれば足ります(最判昭37.3.29)。
転借人に催告して、代わりに賃料を支払う機会を与える必要はありません。
2:× 正しい記述です。
転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負います(民法613条1項)。
直接請求できる額は、賃料10万円と転借料15万円のうち低い方の範囲内です。
したがって、AはCに10万円を直接支払うよう請求できます。
3:× 正しい記述です。
賃借人の債務不履行で賃貸借が解除されると、転借人は転借権を賃貸人に対抗できません。
Aは、CのBに対する賃料不払の有無にかかわらず、Cに明渡しを請求できます(最判平9.2.25)。
4:× 正しい記述です。
賃貸借を合意解除しても、賃貸人はそれを転借人に対抗できないのが原則です(最判昭37.2.1)。
合意解除を認めると、転借人の権利が不当に奪われるからです。
【ポイント】
債務不履行による解除は転借人に対抗できるが、合意解除は対抗できない、という対比が頻出です。
現行法では、合意解除を転借人に対抗できない旨が613条3項に明文化されています。