2017年度 宅地建物取引士試験 問26
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の媒介の依頼を受け、宅地建物取引業者C(消費税課税事業者)は借主Dから建物の貸借の媒介の依頼を受け、BとDの間での賃貸借契約を成立させた。 この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。 なお、1か月分の借賃は9万円(消費税等相当額を含まない。)である。
正答1
解説
正解は1です。 建物の貸借の媒介における報酬の限度額を問う問題です。 出題当時の消費税率は8%なので、消費税課税事業者は本体額に1.08を乗じた額まで受領できます。 貸借の媒介報酬は、貸主・借主の双方から受け取る合計で借賃1か月分(税込)が上限です。 居住用建物以外の貸借で権利金の授受があるときは、権利金を売買代金とみなして計算することもできます。 【計算】 借賃基準の合計上限:9万円×1.08=97,200円 権利金基準の依頼者1人当たり:200万円×5%=10万円 税込にすると:10万円×1.08=108,000円 A・Cの合計(依頼者2人分):108,000円×2=216,000円 216,000円の方が97,200円より大きいので、216,000円が合計の限度額です。 【選択肢別解説】 1:○ 店舗用の貸借で権利金の授受があるため、権利金を売買代金とみなして計算できます。 上記の計算のとおり、A及びCの合計の限度額は216,000円です。 2:× 依頼者の依頼によって行った広告の料金に相当する額は、報酬とは別に受領できます(国土交通省告示)。 受領できないとする点が誤りです。 3:× 重要事項の説明は宅建業者の業務の一部です。 その対価として、報酬の限度額とは別に金銭を受領することはできません。 4:× 退去時に全額返還される保証金は権利金に当たらず、権利金を基準とする計算はできません。 また居住用建物なので、合計の限度額は借賃1か月分の97,200円です。 【ポイント】 権利金を使った計算ができるのは「居住用建物以外」で「返還されない権利金」の場合に限られます。 現行の消費税率10%では、乗じる数字は1.1になります。法改正による注意
正答と採点は出題当時の正解によります。
肢1は、2019年10月の消費税率引上げ(8%→10%)に伴う報酬告示の改正により、現行法では誤った記述です。権利金200万円を売買代金とみなして計算すると、依頼者の一方につき200万円×5.5%=11万円が上限となり、A及びCの合計は22万円です(216,000円は消費税率8%で計算した額)。肢2〜4は現行法でも誤りのため、現行法では正しいものがなく、この問題は成立しません。 根拠:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)第二・第六(2019年10月1日施行) (2026年10月時点の法令による)