宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。
その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。
この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
なお、この問において「建物状況調査」とは、法第34条の2第1項第4号に規定する調査をいうものとする。
正答4
解説
正解は4です。
平成30年4月施行の改正で導入された、既存建物の建物状況調査(インスペクション)に関する規定を問う問題です。
媒介契約書面、重要事項説明、37条書面のそれぞれで何が求められるかを区別することがポイントです。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項は、媒介契約の依頼者に対して媒介契約書面に記載する事項です(宅建業法34条の2第1項4号)。
売主側の媒介業者Aが、相手方である買主Dに対してあっせんの有無を確認する義務は定められていません。
2:× 誤りです。
既存建物の売買では、設計図書・点検記録など建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の「保存の状況」を重要事項として説明します(宅建業法35条1項6号の2ロ)。
書類に記載されている内容まで説明する義務はありません。
3:× 誤りです。
重要事項として説明すべき建物状況調査は、調査の実施後1年を経過していないものに限られます(宅建業法施行規則16条の2の2)。
媒介契約の2年前に受けた調査は1年を経過しているので、説明義務の対象外です。
4:○ 正しい記述です。
既存建物の売買では、構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項を37条書面に記載しなければなりません(宅建業法37条1項2号の2)。
37条書面の交付は宅地建物取引業者間の取引でも省略できず、記載事項も同じです。
【ポイント】
建物状況調査は、媒介契約書面では「あっせんに関する事項」、重要事項説明では「実施の有無と結果の概要(1年以内のもの)」、37条書面では「双方が確認した事項」と整理しましょう。
37条書面は業者間取引でも交付と記載が必要で、8種制限のような適用除外はありません。