Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。
この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
37条書面の記名押印と、宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(損害賠償額の予定・手付・瑕疵担保責任)を問う問題です。
8種制限は買主が宅地建物取引業者である場合には適用されません(宅建業法78条2項)。
この問題は違反しないものを選ぶので、○ が答え(違反しない記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 違反します。
37条書面には宅地建物取引士が記名押印しなければなりません(宅建業法37条3項)。
この義務は業者間取引でも免除されないので、宅建士でない者の記名押印は違反です。
2:○ 違反しません。
損害賠償額の予定と違約金の合計を代金の20%以下とする制限(宅建業法38条)は8種制限の一つです。
AとBがともに宅建業者なので適用がなく、代金の30%に当たる600万円の特約も違反しません。
3:× 違反します。
宅建業者が自ら売主となる場合、代金の20%を超える手付を受領できません(宅建業法39条1項)。
代金2,000万円の20%は400万円なので、500万円の手付の受領は違反です。
4:× 違反します。
瑕疵担保責任について、民法の規定より買主に不利な特約は原則として無効です(宅建業法40条)。
例外は、責任を負う期間を引渡しの日から2年以上とする特約だけです。
引渡しから1年以内とする特約は違反となります。
【ポイント】
業者間取引で外れるのは8種制限だけで、37条書面の宅建士の記名押印は省略できません。
現行法では、瑕疵担保責任は契約不適合責任に改められ、引渡しから2年以上の通知期間とする特約が例外として認められています。
また、37条書面の記名押印は2022年5月の改正で記名だけで足りることになりました。