令和2年7月1日に下記ケース①及びケース②の保証契約を締結した場合に関する次の1から4までの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
(ケース①) 個人Aが金融機関Bから事業資金として1,000万円を借り入れ、CがBとの間で当該債務に係る保証契約を締結した場合 (ケース②) 個人Aが建物所有者Dと居住目的の建物賃貸借契約を締結し、EがDとの間で当該賃貸借契約に基づくAの一切の債務に係る保証契約を締結した場合
正答4
解説
正解は4です。
2020年4月施行の改正民法による保証の規制を、2つのケースで比較する問題です。
ケース①は事業資金の貸金債務の保証です。
ケース②は賃貸借から生じる一切の債務の保証で、不特定の債務を保証する根保証にあたります。
【選択肢別解説】
1:× ケース①も、書面でしなければ効力を生じないので誤りです。
保証契約は、種類を問わず書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じません(民法446条2項・3項)。
2:× ケース②で極度額が必要なのは、保証人Eが個人の場合に限られます。
個人根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じません(民法465条の2第2項)。
保証人が法人であれば、極度額の定めは不要です。
3:× 連帯保証人には、催告の抗弁権も検索の抗弁権もありません(民法454条)。
したがって、ケース①のCも催告の抗弁を主張できない点が誤りです。
4:○ 事業のための貸金等債務を個人が保証するには、特別な手続が必要です。
契約締結日前1か月以内に、公正証書で保証債務を履行する意思を表示しなければなりません(民法465条の6)。
この規制は、主たる債務者の取締役など事業に関与する者には適用されません(民法465条の9)。
ケース①のCは事業に関与しない個人なので、公正証書がなければ保証契約は無効です。
ケース②は居住用の賃貸借債務の保証で、事業のための貸金等債務ではありません。
そのため、公正証書がなくても有効です。
【ポイント】
公正証書が必要なのは、事業用の貸金等債務を経営者等以外の個人が保証する場合です。
極度額が必要なのは、個人が根保証をする場合です。