宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBを買主とする土地付建物の売買契約(代金3,200万円)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(割賦販売の所有権留保、手付金等の保全措置、損害賠償額の予定)を問う問題です。
代金は3,200万円です。
【計算】
所有権留保の基準は代金の10分の3です。
3,200万円 × 3/10 = 960万円です。
未完成物件で保全措置が不要となるのは代金の5%以下です。
3,200万円 × 5/100 = 160万円です。
損害賠償額の予定と違約金の合計の上限は代金の10分の2です。
3,200万円 × 2/10 = 640万円です。
【選択肢別解説】
1:× 割賦販売で物件を引き渡した場合、宅建業者は代金の10分の3を超える支払を受けるまでに、所有権の移転登記をしなければなりません(宅建業法43条1項)。
本問では960万円を超える支払を受けるまでであり、800万円ではありません。
2:○ 未完成物件では、手付金等の額が代金の5%以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です(宅建業法41条1項)。
手付金100万円と中間金60万円の合計は160万円で、代金の5%である160万円以下なので、保全措置なしで受領できます。
3:× 損害賠償の予定額と違約金の合計は代金の10分の2を超えてはなりません(宅建業法38条1項)。
400万円と240万円の合計は640万円で上限ちょうどなので、特約は有効です。
4:× 38条の制限は、損害賠償額を予定し又は違約金を定める場合に適用されます。
予定額を定めていなければ、Bは実際に生じた損害額を証明して請求でき、代金の10分の2に制限されません。
【ポイント】
手付金等には、契約締結後・引渡し前に支払われる中間金も含まれます。
損害賠償額の予定は、10分の2を超えた部分だけが無効になる点も頻出です。