宅地建物取引業者の業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
ア マンションの販売に際して、買主が手付として必要な額を持ち合わせていなかったため、手付を分割受領することにより、契約の締結を誘引した。
イ 宅地の売買に際して、相手方が「契約の締結をするかどうか明日まで考えさせてほしい」と申し出たのに対し、事実を歪めて「明日では契約締結できなくなるので、今日しか待てない」と告げた。
ウ マンション販売の勧誘を電話で行った際に、勧誘に先立って電話口で宅地建物取引業者の商号又は名称を名乗らずに勧誘を行った。
エ 建物の貸借の媒介に際して、賃貸借契約の申込みをした者がその撤回を申し出たが、物件案内等に経費がかかったため、預り金を返還しなかった。
正答4
解説
正解は4です。
宅建業者の業務に関する禁止行為(宅建業法47条、47条の2、施行規則16条の11)を問う問題です。
この問題は宅建業法に違反する記述の数を答えるので、○ は違反することを表します。
【記述別解説】
ア:○ 手付について貸付けその他の信用の供与をして契約の締結を誘引することは禁止されています(宅建業法47条3号)。
手付の分割受領は信用の供与にあたるので違反します。
イ:○ 正当な理由なく、契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むことは禁止されています(施行規則16条の11第1号ロ)。
今日しか待てないと告げて考える時間を与えないことは違反します。
ウ:○ 勧誘に先立って、宅建業者の商号又は名称、勧誘者の氏名、勧誘の目的を告げずに勧誘することは禁止されています(施行規則16条の11第1号ハ)。
商号を名乗らずに電話で勧誘することは違反します。
エ:○ 相手方が契約の申込みを撤回したときに、既に受領した預り金を返還することを拒むことは禁止されています(施行規則16条の11第2号)。
経費がかかったことは返還を拒む理由になりません。
ア〜エはいずれも違反するので、違反するものは四つです。
よって正解は4です。
【ポイント】
手付については、貸付け・後払い・分割払いのいずれも信用の供与として禁止されます。
ただし、手付の減額は信用の供与にあたらず、禁止されていません。