Aは、B所有の甲建物 (床面積100m²) につき、居住を目的として、期間2年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約 (以下この問において「本件契約」という。) をBと締結してその日に引渡しを受けた。
この場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
定期建物賃貸借の成立要件、建物賃貸借の対抗力、敷金の返還時期が問われています。
【選択肢別解説】
1:○ この記述は誤りです。
定期建物賃貸借では、契約書とは別個独立の書面を交付して説明しなければなりません(借地借家法38条、最判平成24年9月13日)。
契約書を交付して説明しただけでは要件を満たさず、更新がない旨の定めは無効になります。
2:× この記述は正しいので答えにはなりません。
建物の賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しがあれば新所有者に対抗できます(31条)。
定期建物賃貸借でも同じです。
3:× この記述は正しいので答えにはなりません。
床面積200m²未満の居住用建物の定期建物賃貸借では、転勤・療養などのやむを得ない事情があれば借主は解約を申し入れられます(38条)。
この規定に反する借主に不利な特約は無効なので、中途解約禁止特約があっても解約申入れができます。
4:× この記述は正しいので答えにはなりません。
敷金は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに返還すれば足ります(民法622条の2第1項)。
明渡しが先で、敷金返還と同時履行の関係にはありません。
【ポイント】
定期建物賃貸借の事前説明は「契約書とは別の書面」で行う点が最重要です。
中途解約の特例は「200m²未満・居住用・やむを得ない事情」の3要件で覚えましょう。