甲建物を所有するAが死亡し、Aの配偶者Bが甲建物の配偶者居住権を、Aの子Cが甲建物の所有権をそれぞれ取得する旨の遺産分割協議が成立した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
2020年4月施行の相続法改正で新設された配偶者居住権(民法1028条以下)に関する問題です。
配偶者は無償で建物に住み続けられますが、存続期間・使用方法・費用負担には一定のルールがあります。
【選択肢別解説】
1:× 「20年となる」が誤りです。
遺産分割協議などで存続期間を定めなかった場合、配偶者居住権の存続期間は配偶者の終身の間となります(民法1030条本文)。
2:× 「Cの承諾を得ずに賃貸できる」が誤りです。
配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用又は収益をさせることができません(民法1032条3項)。
3:○ 居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います(民法1031条1項)。
登記をすれば、配偶者居住権を第三者に対抗できます(同条2項)。
4:× 「Cが負担しなければならない」が誤りです。
居住建物の通常の必要費は、配偶者であるBが負担します(民法1034条1項)。
【ポイント】
配偶者居住権は「原則終身・譲渡不可・無断で賃貸不可・通常の必要費は配偶者負担」と押さえましょう。
所有者に設定登記を備えさせる義務がある点もよく出題されます。