未成年者Aが、法定代理人Bの同意を得ずに、Cから甲建物を買い受ける契約 (以下この問において「本件売買契約」という。)を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
なお、Aに処分を許された財産はなく、Aは、営業を許されてはいないものとする。
正答3
解説
正解は3です。
未成年者が法定代理人の同意なく結んだ契約の取消しと追認(民法5条・120条以下)を問う問題です。
取消権者・追認の要件・法定追認の要件を正確に区別することがポイントです。
【選択肢別解説】
1:× 「取消しの意思表示を取り消すことができる」が誤りです。
制限行為能力者本人も取消権者であり(民法120条1項)、未成年者は単独で有効に取り消すことができます。
その取消しを、同意がないことを理由に取り消すことはできません。
2:× 「取り消すことはできない」が誤りです。
未成年者の行為は、相手方が善意無過失であっても取り消すことができます(民法5条2項)。
取消しができなくなるのは、行為能力者であると信じさせるため詐術を用いた場合です(民法21条)。
3:○ 追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ取消権を有することを知った後でなければ効力を生じません(民法124条1項)。
Aは成年に達し取消権を知っているので単独で追認でき、追認後は取り消せなくなります(民法122条)。
Bの法定代理権は成年到達で消滅しているので、Bの反対は影響しません。
4:× 「取り消すことはできなくなる」が誤りです。
取得した権利の譲渡は法定追認の事由ですが、追認をすることができる時以後に行われる必要があります(民法125条)。
Aが未成年のうちに同意なく行った譲渡は法定追認に当たらず、取消権は失われません。
【ポイント】
本人が追認するには「成年に達したこと」と「取消権を知ったこと」の両方が必要です。
法定追認も、追認ができる状態になった後の行為でなければ成立しません。