宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、禁止されているものはいくつあるか。
ア Aの従業者は、電話によりBに投資用マンションの購入の勧誘を行った際、Bから「Aから購入する意思は一切無いので、今後電話を含め勧誘はしないでほしい。」と告げられたが、その翌日、Bに対し、再度の勧誘を行った。
イ 建物の購入希望者から「契約の締結についてしばらく考えさせてほしい。」という申し出があったので、Aの従業者は、他に買い手がいないにもかかわらず、「他に買い手がいるので、今日中しか契約の締結はできない。」と当該購入希望者に告げた。
ウ Aの従業者は、建物の購入希望者に対して、長時間にわたり契約の締結をするための勧誘を行い、当該購入希望者を困惑させた。
エ 建物の売買を媒介しているAの従業者は、手持ち資金がない購入希望者に対して「手付金は当社が貸し付けるので後から返してくれれば構わない。」と告げて、契約の締結を誘引したが、契約には至らなかった。
正答4
解説
正解は4です。
宅建業者の従業者による勧誘時の禁止行為を問う問題です。
この問題は禁止されているものを数えるので、禁止されていない記述を○、禁止されている記述を×で示します。
【記述別解説】
ア:× 相手方が契約を締結しない旨の意思や勧誘を受けることを希望しない旨の意思を表示したのに、勧誘を継続することは禁止されています(宅建業法施行規則16条の12第1号)。
翌日に再度勧誘することはこれに当たります。
イ:× 正当な理由なく、契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むことは禁止されています(宅建業法施行規則16条の12第1号)。
他に買い手がいないのに「今日中しか契約できない」と告げることは、これに当たります。
ウ:× 私生活や業務の平穏を害するような方法により相手方を困惑させることは禁止されています(宅建業法施行規則16条の12第1号)。
長時間の勧誘で困惑させることはこれに当たります。
エ:× 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引することは禁止されています(宅建業法47条3号)。
契約に至らなくても、誘引した時点で違反となります。
禁止されているものはア・イ・ウ・エの四つなので、正解は4です。
【ポイント】
手付の貸付け・分割払い・後払いによる誘引は、契約が成立しなくても禁止行為です。
勧誘の継続・判断時間の拒否・困惑させる勧誘も、規則で明文で禁止されています。