正答1
解説
正解は1です。
この問題は最も不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下ガイドライン)の経過年数の考え方と、特約の有効要件を問う問題です。
図は「設備等の経過年数と賃借人負担割合(耐用年数6年及び8年・定額法の場合)」のグラフです。
縦軸は借主の負担割合、横軸は経過年数で、どちらの線も100%から右下がりの直線となり、耐用年数6年の線は6年で、8年の線は8年でほぼ0%になります。
【選択肢別解説】
1:○ 不適切な記述です。
経年劣化と通常損耗の回復費用は、賃料に含まれているものとして貸主が負担します。
グラフは、借主の故意・過失等による損耗について負担割合を決めるためのものです。
経年劣化・通常損耗分をグラフに従って借主が負担するとする点が誤りです。
2:× 適切な記述です。
経過年数を超えた設備でも、使用可能な状態であったものを借主の故意・過失で使用不能にした場合は、従来機能していた状態まで回復させる費用を借主が負担することがあります。
3:× 適切な記述です。
借主に特別の負担を課す特約は、必要性と暴利的でない等の客観的・合理的理由があり、借主が通常の原状回復義務を超える負担を認識し、その負担を負う意思表示をしたときに有効とされます。
4:× 適切な記述です。
計算は下のとおりで、借主の負担額は1万円となります。
【計算】
新築から3年経過後の入居なので、耐用年数6年のクロスの入居時の残存価値は50%で、これをグラフの始点とします。
そこから残りの3年でほぼ0%まで直線的に減少するので、1年あたり約16.7%ずつ減少します。
入居2年後(新築から5年)の負担割合は、50%−16.7%×2=約16.7%、つまり6分の1です。
借主の負担額は、60,000円×1/6=10,000円です。
【ポイント】
経過年数による負担割合の減少は、借主の故意・過失による損耗に適用される考え方です。
入居時に新品でない場合は、入居時点の残存価値をグラフの始点とする点も押さえましょう。