正答3
解説
正解は3です。
貸主の修繕義務の範囲と、借主の必要費償還請求権などを問う問題です。
この問題は最も不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。
貸主は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負います(民法606条1項)。
【選択肢別解説】
1:× 適切な記述です。
借主が貸主の負担に属する必要費を支出したときは、貸主に対し、直ちにその償還を請求できます(民法608条1項)。
2:× 適切な記述です。
貸主が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするとき、借主はこれを拒むことができません(民法606条2項)。
立入りを拒否し続けて契約の目的を達することができなくなれば、信頼関係が破壊されたとして解除が認められます。
3:○ 不適切な記述です。
修繕義務は、契約締結後に生じた破損に限られません。
借主の入居前から雨漏りがあった場合でも、使用収益に必要な修繕である以上、貸主は修繕義務を負います。
4:× 適切な記述です。
区分所有建物の専有部分を賃貸した場合、その使用に必要な共用部分に不具合があるときも、貸主の修繕義務の対象となります。
【ポイント】
必要費は「直ちに」、有益費は「契約終了時に価格の増加が現存する場合に」償還を請求できる点を対比で覚えましょう(民法608条2項)。
なお、2020年4月施行の改正民法で、借主の責めに帰すべき事由による修繕は貸主の義務から除かれることが明文化されました。