賃貸借契約の保証に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 連帯保証においては、附従性が否定されるため、連帯保証人は、借主が負担する債務よりも重い保証債務を負担する。
イ 保証人は、賃貸物件の明渡義務を直接負うわけではないので、借主が賃貸借契約の解除後に明渡しを遅滞したことによって生じた賃料相当損害金については保証債務を負わない。
ウ 賃貸借契約の更新の際、特段の事情のない限り、保証人は更新後の保証債務を負う。
エ 法人が保証人となる場合であっても、書面によらない保証契約は無効である。
正答4
解説
正解は4です。
賃貸借契約の保証人が負う責任の範囲と、保証契約の方式が問われています。
出題当時(2018年)の民法で判断します。
【記述別解説】
ア:× 連帯保証で否定されるのは、催告の抗弁権・検索の抗弁権(補充性)です。
附従性は否定されないので、保証債務が主たる債務より重くなることはありません(民法448条参照)。
イ:× 保証人は、賃貸借契約から生じる借主の債務全般を保証します。
そのため、解除後に明渡しが遅れたことによる賃料相当損害金も、保証債務の範囲に含まれます。
ウ:○ 建物賃貸借の保証人は、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借から生じる借主の債務についても責任を負います(最判平9.11.13)。
賃貸借は更新されて続くのが通常で、保証人もそれを前提に保証していると考えられるからです。
エ:○ 保証契約は、書面でしなければ効力を生じません(民法446条2項)。
この規定は保証人が法人であっても適用されます。
以上より、正しいのはウ・エで、その組合せの4が正解です。
【ポイント】
連帯保証で失われるのは補充性であり、附従性ではありません。
なお、2020年4月施行の改正民法では、個人が賃貸借の保証人となる根保証契約は、極度額を定めなければ無効となりました(民法465条の2)。