正答4
解説
正解は4です。
サブリース方式(転貸借)における、所有者(原賃貸人)と転借人(入居者)の関係を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 転貸借を承諾していても、所有者と転借人の間に契約関係は生じません。
契約関係があるのは、所有者と管理業者の間(原賃貸借)と、管理業者と転借人の間(転貸借)です。
ただし、民法613条1項により、転借人は所有者に対して直接に義務を負います。
2:× 転借人が所有者に支払う義務は、10万円が上限です。
転借人が所有者に直接負う義務は、原賃貸借の賃料と転貸借の賃料のうち、低いほうの金額の範囲に限られます。
したがって、所有者が12万円を請求しても、転借人が支払う義務を負うのは10万円までです。
3:× 所有者の承諾がない転貸借も、管理業者と転借人の間では有効です。
無断転貸は所有者に対抗できず、原賃貸借の解除原因になり得るにとどまります(民法612条)。
4:○ 所有者は、転借人に対して敷金返還義務を負いません。
転借人が敷金を差し入れた相手は転貸人である管理業者であり、所有者は敷金を受け取っていません。
民法613条1項は転借人の所有者に対する義務を定めたもので、所有者が転借人に義務を負う根拠にはなりません。
【ポイント】
転貸借では、転借人は所有者に直接の義務を負いますが、所有者は転借人に直接の義務を負わないという一方向の関係が出題の核心です。
2020年4月施行の改正民法で、613条1項に「賃借人の債務の範囲を限度として」という文言が加えられ、肢2の結論が明文化されました。