令和4年5月1日に締結された建物賃貸借契約と建物使用貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 建物賃貸借契約の期間が満了した場合、同契約が法定更新されることはあるが、建物使用貸借契約の期間が満了しても、同契約が法定更新されることはない。
イ 建物賃貸借では建物の引渡しが契約の成立要件となるが、建物使用貸借は合意のみで契約が成立する。
ウ 期間10年の建物賃貸借契約は有効だが、期間10年の建物使用貸借契約は無効である。
エ 契約に特段の定めがない場合、建物賃貸借契約における必要費は貸主が負担し、建物使用貸借契約における必要費は借主が負担する。
正答2
解説
正解は2です。
この問題は、建物賃貸借と建物使用貸借の違いを問うものです。
令和4年に締結された契約なので、改正民法(2020年4月施行)で判断します。
【記述別解説】
ア:○ 建物賃貸借には借地借家法が適用され、期間満了時に法定更新されることがあります(同法26条)。
使用貸借には借地借家法が適用されないので、法定更新はありません。
イ:× 改正民法では、賃貸借も使用貸借も、合意だけで成立する諾成契約です(民法601条・593条)。
引渡しは、どちらの契約でも成立要件ではありません。
ウ:× 期間10年の建物賃貸借も、期間10年の建物使用貸借も有効です。
使用貸借には期間の上限がなく、建物賃貸借にも民法604条の50年の上限は適用されません。
エ:○ 賃貸借では、借主が支出した必要費は直ちに貸主に償還請求でき、貸主の負担となります(民法608条1項)。
使用貸借では、借主が通常の必要費を負担します(民法595条1項)。
正しいものはア・エの2つなので、正解は2です。
【ポイント】
改正前の民法では、使用貸借は物の受取りで成立する要物契約でしたが、改正で諾成契約になりました。
賃貸借はもともと諾成契約で、引渡しは成立要件ではありません。