定期建物賃貸借契約でない賃貸住宅の賃貸借契約の契約期間と更新に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 賃貸借契約の契約期間は、50年を超えることができない。
イ 賃貸借契約では、契約期間を定めることが賃貸借契約の成立要件である。
ウ 賃貸借契約において、賃貸人が契約の更新を拒絶する旨を通知したが、賃借人が期間満了後も賃貸住宅を使用し続け、賃貸人がこれに異議を述べない場合、賃貸借契約は更新されたものとみなされる。
エ 賃貸借契約において、賃貸人が契約期間満了を原因として契約を終了させる更新拒絶の通知には正当事由の具備が必要となるところ、財産上の給付(いわゆる立退料)は正当事由の補完要素として考慮されるに過ぎない。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は、普通建物賃貸借の期間と更新に関する借地借家法の規定を問うています。
ア〜エのうち、記述として正しいものの組合せを選びます。
【記述別解説】
ア:× 建物賃貸借の期間は50年を超えることができます。
借地借家法29条2項により、民法604条の50年の上限は建物の賃貸借には適用されません。
なお、1年未満の期間を定めた場合は、期間の定めがない賃貸借とみなされます(同法29条1項)。
イ:× 契約期間を定めることは成立要件ではありません。
期間の定めのない賃貸借も有効に成立します。
ウ:○ 更新拒絶の通知をしても、法定更新となる場合があります。
期間満了後も賃借人が使用を続け、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ、契約は更新されたものとみなされます(借地借家法26条2項)。
エ:○ 立退料は正当事由の補完要素として考慮されるにすぎません。
正当事由は、建物の使用を必要とする事情を中心に、従前の経過や利用状況などとあわせて判断されます(借地借家法28条)。
財産上の給付の申出は、それだけで正当事由を満たすものではなく、他の事情を補う要素です。
正しいものはウとエなので、正解は4です。
【ポイント】
建物賃貸借には期間の上限がなく、1年未満の期間は期間の定めがないものとみなされます。
更新拒絶には「期間満了の1年前から6か月前までの通知」「正当事由」「使用継続への遅滞ない異議」がそろう必要があります。