サブリースに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
なお、本問において「原賃貸借契約」とは、賃貸人と転貸人(賃借人)との契約関係を指し、「転貸借契約」とは、転貸人(賃借人)と転借人との契約関係を指すものとする。
ア 転貸を事業として行うサブリースの場合、原賃貸借契約には借地借家法の適用はないが、転貸借契約には同法の適用がある。
イ 転借人が故意により居室を毀損したことは、転貸人の賃貸人に対する債務不履行にあたる。
ウ 転借人は、転貸人に転貸料を前払していれば、賃貸人からの賃料の請求を拒むことができる。
エ 原賃貸借契約が賃料不払を理由に債務不履行解除されると、転貸借契約も当然に終了する。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は、サブリース(転貸借)における原賃貸借・転貸借の法律関係を問うています。
ア〜エのうち、記述として正しいものの数を数えます。
【記述別解説】
ア:× 原賃貸借契約にも借地借家法が適用されます。
判例(最判平成15年10月21日)は、転貸を事業とするサブリースの原賃貸借も建物の賃貸借であり借地借家法が適用されるとしています。
そのため、転貸人(サブリース業者)からの賃料減額請求も認められます。
イ:○ 転借人の故意による毀損は、転貸人の賃貸人に対する債務不履行にあたります。
転借人は転貸人の履行補助者と同視されるため、転貸人は善管注意義務違反の責任を負います。
ウ:× 転借人は、転貸料を前払いしていても賃貸人の請求を拒めません。
民法613条1項は、転借人は賃料の前払いをもって賃貸人に対抗できないと定めています。
エ:× 原賃貸借が賃料不払いで解除されても、転貸借は当然には終了しません。
判例(最判平成9年2月25日)は、賃貸人が転借人に目的物の返還を請求した時に、転貸人の債務が履行不能となって転貸借が終了するとしています。
正しいのはイの1つなので、正解は1です。
【ポイント】
原賃貸借の合意解除は転借人に対抗できませんが、債務不履行解除は対抗できます(民法613条3項)。
債務不履行解除の場合でも、転貸借の終了時点は「賃貸人が転借人に返還を請求した時」です。