正答1
解説
正解は1です。
この問題は、成年被後見人がした契約の効力と、後見開始の審判の手続を問うています。
成年被後見人の行為は、日常生活に関する行為を除き、取り消すことができます(民法9条)。
【選択肢別解説】
1:○ 審判が取り消されていない限り、成年後見人は契約を取り消すことができます。
成年被後見人かどうかは、後見開始の審判の有無によって画一的に判断されます。
契約時にたまたま判断能力が回復していても、審判が取り消されていなければ取消しの対象です(民法9条)。
取消権は追認できる時から5年間行使できるので、3か月前の契約も取り消せます(民法126条)。
2:× 賃借人は、利害関係人として後見開始の審判を請求することはできません。
請求できるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、保佐人、補助人、検察官などです(民法7条)。
契約の相手方である賃借人は、この請求権者に含まれていません。
3:× 成年後見人には同意権がなく、同意を得て本人が締結した契約も取り消すことができます。
成年被後見人は同意どおりに行動できるとは限らないため、同意を得た行為も取消しの対象です。
契約は、成年後見人が法定代理人として本人を代理して締結するのが正しい方法です。
4:× 後見開始の審判には、審判前の契約にさかのぼる効力はありません。
審判前に締結した賃貸借契約は、審判があったことだけを理由に取り消すことはできません。
締結時に意思能力がなかったことを証明できれば、その契約は無効となります(民法3条の2)。
【ポイント】
成年被後見人は同意を得ても取り消せる点が、被保佐人・被補助人との大きな違いです。
後見開始の審判を請求できる者に「利害関係人」は含まれないことも押さえておきましょう。