正答1
解説
正解は1です。
この問題は、賃料不払を理由とする解除の要件と、家賃債務保証業者が関わる場面の扱いを問うています。
【選択肢別解説】
1:○ 債務不履行による解除に、賃借人(債務者)の帰責事由は不要です。
2020年4月施行の改正民法により、解除には債務者の帰責事由が要件とされなくなりました(民法541条・542条)。
解除は、債務者を責める制度ではなく、債権者を契約の拘束から解放する制度と位置付けられたためです。
なお、損害賠償の請求には、引き続き債務者の帰責事由が必要です(民法415条1項ただし書)。
2:× 解除の通知は、賃借人が了知できる状態に置かれれば到達したことになります。
意思表示は、相手方に到達した時から効力を生じます(民法97条1項)。
判例は、相手方の支配圏内に置かれ、了知可能な状態になれば到達があったとしています。
賃借人が自ら直接受け取ることまでは必要ありません。
3:× 保証業者が代位弁済をしても、賃借人の債務不履行は否定されません。
保証業者の弁済は保証債務の履行であり、賃借人自身が賃料を払わなかった事実は残ります。
したがって、代位弁済があっても、賃貸人は賃料不払を理由とする解除を検討することができます。
4:× このような無催告解除条項は、消費者契約法10条により無効とされています。
最高裁は、保証業者が3か月分以上の滞納で無催告解除できるとする条項を無効と判断しました(最判令和4年12月12日)。
賃借人が同意した契約書の内容であっても、消費者の利益を一方的に害する条項は効力を持ちません。
【ポイント】
改正民法では、解除には帰責事由が不要、損害賠償には帰責事由が必要という区別が重要です。
保証業者の代位弁済は、賃借人の不払という事実を消さない点も押さえましょう。