障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律及び「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(国土交通省令和5年11月)に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
ア 社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮は、努力義務とされている。
イ 不動産管理業者が、歩行障害を有する者に個別訪問により重要事項説明等を行うことを求められた場合に、個別訪問を可能とする人的体制を有していないため対応が難しい等の理由を説明した上で、当該対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反に該当しないとされている。
ウ 不動産管理業者が、障害者に対して障害の状況を確認することは、障害者の社会的障壁を除去するために必要な範囲で、プライバシーに配慮して行えば、不当な差別的取扱いに該当しないとされている。
エ 電話利用が困難な障害者から各種手続においてメールによる対応を求められた場合であっても、自社マニュアル上、当該手続は利用者本人による電話のみで対応するものとされている場合には、それを理由として対応を断ることは、合理的配慮の提供義務に違反しないとされている。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は、障害者差別解消法と国土交通省の対応指針に基づく、不動産管理業者の対応を問うています。
【記述別解説】
ア:× 事業者による合理的配慮の提供は、努力義務ではなく法的義務です。
2024年4月1日施行の改正で、事業者にも合理的配慮の提供が義務付けられました(障害者差別解消法8条2項)。
本問の対応指針(令和5年11月)も、この改正を前提としています。
イ:○ 体制がないことを説明して個別訪問を断ることは、義務違反に当たらない例とされています。
合理的配慮は、事業者にとって過重な負担とならない範囲で求められるものです。
対応が難しい理由を説明し、ほかの方法を検討するなど建設的な対話をすれば、義務違反には当たりません。
ウ:○ 必要な範囲でプライバシーに配慮して障害の状況を確認することは、不当な差別的取扱いに当たりません。
合理的配慮を提供するために必要な確認であり、正当な目的による行為だからです。
エ:× マニュアルを理由にメールでの対応を断ることは、合理的配慮の提供義務違反とされています。
対応指針は、電話の利用が困難な障害者の求めをマニュアルを理由に断る例を、義務違反の例として挙げています。
適切な組合せはイ・ウなので、正解は3です。
【ポイント】
改正前は事業者の合理的配慮は努力義務でしたが、2024年4月から法的義務になりました。
「過重な負担」に当たるかどうかと、障害者との建設的な対話が判断のポイントです。