正答2
解説
正解は2です。
前大脳動脈領域の梗塞で生じる症状を問う問題です。
前大脳動脈は前頭葉内側面、帯状回、補足運動野、脳梁などを灌流します。
この問題は出現しないものを選ぶので、○ が答え(前大脳動脈領域の梗塞で出現しないもの)です。
【選択肢別解説】
1:× 出現します。
両側の前頭葉内側面や帯状回の障害では、自発的な発話や行動がなくなる無言症(無動性無言)が生じます。
2:○ 出現しません。
着衣失行は右半球の頭頂葉の損傷で生じる症状で、主に中大脳動脈領域の梗塞でみられます。
3:× 出現します。
前頭葉内側面の損傷では、手に触れた物をつかんで離さない本能性把握反応が生じます。
4:× 出現します。
補足運動野と脳梁の損傷では、目の前の道具を意図せずに使ってしまう道具の強迫的使用が生じます。
5:× 出現します。
左の補足運動野付近の損傷では、自発話が乏しく復唱が保たれる超皮質性運動失語が生じます。
【ポイント】
前大脳動脈領域の症状は、下肢優位の麻痺、前頭葉内側面の症状、脳梁離断症状にまとめられます。
着衣失行や構成障害は右頭頂葉の症状として整理します。
【用語】
前大脳動脈:大脳の内側面や前頭葉の内側部に血液を送る動脈である。
無言症:意識はあるように見えるが、自発的な発話や動作がほとんどなくなる状態である。
着衣失行:衣服の上下や左右がわからず、うまく着られなくなる状態である。
本能性把握反応:手のひらに触れた物を無意識につかんで離せなくなる反応である。
道具の強迫的使用:目の前の道具を、本人の意思とは関係なく使ってしまう症状である。
超皮質性運動失語:復唱は保たれるが、自発話が乏しくなる失語症である。