正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5です。
ある程度音に反応するのに聴性脳幹反応(ABR)が無反応となる状態を問う問題です。
クリック音によるABRは主に2〜4kHzの高い周波数の反応を反映し、聴神経の同期した発火に依存します。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
軽度難聴ではABRの閾値が少し上昇するだけで、反応は得られます。
2:× 誤りです。
低音障害型難聴では、クリック音が反映する高い周波数の聴力は保たれているため、ABRは正常に近い反応を示します。
3:× 誤りです。
先天性真珠腫は伝音難聴を生じますが、刺激音を大きくすればABRは記録できるため無反応にはなりません。
4:○ 正しい選択です。
auditory neuropathy(オーディトリー・ニューロパチー)は、内耳の外有毛細胞は正常なのに、内有毛細胞から聴神経への伝達が障害される病態です。
音にはある程度反応しますが、聴神経の発火が同期しないためABRが無反応になります。
5:○ 正しい選択です。
高音急墜型難聴では低い周波数の聴力が残っているため音には反応しますが、クリックABRが反映する高い周波数の聴力が高度に障害されているため、ABRが無反応となります。
【ポイント】
auditory neuropathyは、耳音響放射が正常でABRが無反応という乖離が特徴です。
ABRが無反応でも聾とは限らないため、行動反応による聴力検査と組み合わせて判断します。
【用語】
ABR:音刺激で生じる脳幹までの電気的な反応を頭皮上で記録する、聴性脳幹反応のことである。
auditory neuropathy:内有毛細胞から聴神経への伝達が障害され、聴神経の発火が同期しなくなる病態である。
低音障害型難聴:低い周波数の音だけが聞こえにくくなる感音難聴である。
高音急墜型難聴:ある周波数から高音側の聴力が急に低下する難聴である。
先天性真珠腫:生まれつき中耳に袋状の組織ができ、角質がたまって伝音難聴を起こす疾患である。