正答1
解説
正解は1です。
難聴の原因疾患のうち、進行性の経過をとるものを問う問題です。
この問題は進行がみられないものを選ぶので、○ が答え(難聴の進行がみられないもの)です。
【選択肢別解説】
1:○ 進行しません。
先天性耳小骨奇形は生まれつきの耳小骨の形態異常による伝音難聴で、難聴の程度は通常変化しません。
手術で改善を図れることがあります。
2:× 進行します。
遅発性内リンパ水腫は、以前からの高度難聴の耳に後から内リンパ水腫が生じる疾患で、めまい発作や反対側の聴力の変動・悪化がみられます。
3:× 進行します。
前庭水管拡大症では、頭部の打撲などをきっかけに難聴が段階的に悪化し、変動しながら進行します。
4:× 進行します。
ミトコンドリアDNA1555変異では、アミノグリコシド系抗菌薬の投与で高度難聴を起こしやすく、投与がなくても進行性の難聴を示すことがあります。
5:× 進行します。
先天性サイトメガロウイルス感染症では、出生後に難聴が遅れて発症したり、進行したりすることがあります。
【ポイント】
進行性難聴の原因として、前庭水管拡大症、先天性サイトメガロウイルス感染症、ミトコンドリア遺伝子変異は頻出です。
新生児聴覚スクリーニングに合格しても、後から難聴が明らかになる場合があります。
【用語】
先天性耳小骨奇形:生まれつき耳小骨の形に異常があり、音が伝わりにくくなる伝音難聴の原因である。
遅発性内リンパ水腫:以前からの高度難聴の耳に、後から内リンパ水腫が生じてめまいなどを起こす疾患である。
前庭水管拡大症:内耳の前庭水管が広がっており、頭部の衝撃などをきっかけに難聴が進みやすい状態である。
ミトコンドリアDNA1555点変異:特定の抗菌薬で難聴を起こしやすくなる遺伝子変異で、母系遺伝する。
先天性サイトメガロウイルス感染症:胎内でウイルスに感染し、生後に難聴が現れたり進行したりすることがある疾患である。