正答1
解説
正解は1です。
中耳と内耳(蝸牛)の構造と機能を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 中耳は空気の振動を内耳のリンパ液へ効率よく伝えるため、インピーダンス整合を行います。
鼓膜とアブミ骨底の面積比や耳小骨のてこ比によって音圧を高めます。
2:× 外有毛細胞の最も長い不動毛は蓋膜と連結しています。
連結していないとする記述は誤りで、蓋膜と接していないのは内有毛細胞の不動毛です。
3:× 前庭膜(ライスネル膜)は前庭階と蝸牛管を隔てる膜です。
中耳との境は正円窓と卵円窓で、正円窓は鼓室階と中耳を隔てます。
4:× 基底板の幅は基底回転で狭く、頂回転で広くなります。
頂回転の方が狭いとする記述は逆です。
5:× 内有毛細胞は約3,500個、外有毛細胞は約12,000個とされます。
内有毛細胞の方が少ないのが正しい関係です。
【ポイント】
基底板は基底回転側が狭く硬いため高音に、頂回転側が広く柔らかいため低音に反応します。
これが蝸牛の周波数分析(場所説)の基礎です。
【用語】
インピーダンス整合:音が空気から液体に伝わるときに生じる損失を、中耳の構造で小さくする仕組みである。
蓋膜:蝸牛管内で有毛細胞の不動毛の上に覆いかぶさるゼリー状の膜である。
正円窓:蝸牛の鼓室階の端にある膜で覆われた小さな窓で、内耳液の圧変化を逃がす。
前庭膜:蝸牛内で前庭階と蝸牛管を隔てる薄い膜で、ライスネル膜とも呼ばれる。
基底板:蝸牛内で蝸牛管の底をなす膜で、音の周波数に応じて振動する位置が異なる。