正答2
解説
正解は2です。
気管切開が嚥下や発声に与える影響を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 誤った記述です。
カフ付きカニューレでも、カフと気管壁の隙間から飲食物や唾液が流れ込みます。
誤嚥を完全に防止することはできません。
2:○ 正しい記述です。
カニューレが気管を前頸部の皮膚に固定するため、嚥下時に喉頭が上へ動きにくくなります。
膨らませたカフも気管内で引っかかりとなり、喉頭挙上を妨げます。
なお、カフが食道を後ろから圧迫すると、食塊の通過も妨げられます。
3:× 誤った記述です。
気管切開孔の閉鎖は、呼吸状態や痰の量、誤嚥の程度などから判断します。
経口摂取が完全に自立するまで閉鎖してはならないという決まりはありません。
4:× 誤った記述です。
気管吸引は、医師・歯科医師・看護師のほか、言語聴覚士も訓練に必要な範囲で行えます。
研修を受けた介護職員なども一定の条件で実施できます。
5:× 誤った記述です。
カフの空気を抜き、スピーチバルブを付けるなどして呼気を声門に通せば発声できます。
【ポイント】
気管切開は、喉頭挙上の制限・声門下圧の低下・咳嗽反射の低下などにより嚥下に不利に働きます。
カフは誤嚥を「減らす」ものであり、完全に「防ぐ」ものではない点が頻出です。
【用語】
カフ付きカニューレ:気管切開孔に入れる管で、先端のカフを膨らませて気管との隙間をふさぐものである。
気管切開:気道を確保するために、頸部から気管に穴を開ける手術である。
喉頭挙上:嚥下の際に、喉頭が上前方に引き上げられる動きである。
気管吸引:気管内にたまった分泌物を、吸引の管を使って取り除く処置である。
スピーチバルブ:気管カニューレに付ける一方向弁で、吸気は通し、呼気を声門側へ流して発声を可能にする。