正答4
解説
正解は4です。
失語症の症状を評価・解釈するときの考え方を問う問題です。
1つの課題の結果だけで、機能の障害を決めつけないことが大切です。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
単語の意味理解と統語の理解は別々に障害されることがあります。
語義失語のように、単語の意味が分からなくても文法的な理解は保たれる例があります。
2:× 誤りです。
漢字単語は、意味を経由せずに音読できる場合があります。
音読できても意味が理解できているとは限らないため、読解は別に評価します。
3:× 誤りです。
失語症では、仮名1文字は読めなくても、なじみのある仮名単語なら全体として音読できることがあります。
4:○ 正しい記述です。
音韻性錯語が頻発する症例は、目標の語は思い出せているのに、音の配列を組み立てる段階でつまずいています。
そのため、語頭音ヒントで語を引き出す効果は小さくなります。
5:× 誤りです。
6文節の文が理解できない原因は、聴覚的把持力の低下だけではありません。
語彙や統語の理解障害でも起こるため、それだけでは判断できません。
【ポイント】
語頭音ヒントは、語が思い出せない喚語困難に対して有効な手がかりです。
音読・読解・書字などは、それぞれ別の経路で処理されることを念頭に評価しましょう。
【用語】
統語:語を組み合わせて文を作るときの規則や、文の構造のことである。
音韻性錯語:語の音の一部を誤ったり入れ替えたりして、別の音に言い誤る症状である。
語頭音ヒント:呼称の場面で目標語の最初の音を示し、語を思い出す手助けとする手がかりである。
聴覚的把持力:聞いた言葉を、一時的に頭の中にとどめておく力のことである。