9歳の男児。
主訴は「漢字が書けない」。
視覚的認知・記憶には問題がない。
KABC-Ⅱの結果を示す。
認知発達特性に合わせた指導法として適切なのはどれか。
3つ選びなさい
正解を3つ選んでください。
正答1・2・5
解説
正解は1と2と5です。
KABC-Ⅱの結果から、この子どもの得意な情報処理の様式を読み取り、それを生かした漢字指導を選ぶ問題です。
結果の表では、認知検査の継次尺度が71と低く、個人間差で弱い(NW)、個人内差でも弱い(PW)とされています。
一方、同時尺度は117と高く、個人間差で強い(NS)、個人内差でも強い(PS)とされています。
計画尺度も109で個人内の強み(PS)です。
習得検査では書き尺度が76と最も低く、「漢字が書けない」という主訴と一致しています。
したがって、継次処理が弱く同時処理が強いタイプであり、全体像や視覚的なまとまりを生かす同時処理型の指導が適しています。
【選択肢別解説】
1:○ 適切です。
絵と漢字を対応させて漢字全体の形をとらえる方法は、全体を一度に把握する同時処理型の指導です。
2:○ 適切です。
絵カードを手がかりにして漢字の意味をとらえさせる方法は、視覚的な全体像から理解する同時処理を生かします。
3:× 不適切です。
言葉や番号で書き順を一つずつ意識させる方法は、順番に処理する継次処理型の指導です。
この子どもの弱い処理に頼ることになります。
4:× 不適切です。
漢字の部分に名前を付けて書き方を順に言語化する方法も、継次処理型の指導です。
5:○ 適切です。
漢字をパズルにして部分の空間的な位置関係から形を理解させる方法は、同時処理を生かした指導です。
【ポイント】
KABC-Ⅱでは、強い認知処理様式を生かした指導が基本です。
継次処理が強い子どもには、順序立てた言語化や書き順の唱え方が有効です。
【用語】
KABC-Ⅱ:子どもの認知処理の強みと、学習の習得度を調べる心理・教育アセスメントの検査である。
同時処理:複数の情報を一度に全体としてとらえて処理する認知の様式である。
継次処理:情報を一つずつ順番に処理していく認知の様式である。