正答3
解説
正解は3です。
各種の聴力検査法の特性と、それで検出できる病態の組み合わせを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× ABR(聴性脳幹反応)は主にクリック音を用い、2,000Hzから4,000Hz付近の高音域の聴力を反映します。
低音に限局する難聴は検出できません。
2:× auditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)では外有毛細胞の機能が保たれるため、DPOAE(歪成分耳音響放射)は正常に出ます。
DPOAEだけでは検出できず、ABRの無反応などとの組み合わせで診断します。
3:○ ASSR(聴性定常反応)は周波数ごとに閾値を推定できるため、中音域だけが低下する谷型難聴のような周波数特性を検出できます。
4:× 聴覚情報処理障害では純音聴力は正常範囲であることが多く、純音聴力検査では検出できません。
雑音下の聞き取り検査や両耳分離聴検査などで評価します。
5:× COR(条件詮索反応聴力検査)は音場で左右のスピーカーから音を出して検査するため、良いほうの耳で反応してしまい、一側性難聴は検出できません。
【ポイント】
ABRは高音域、ASSRは周波数別、OAEは外有毛細胞の機能を反映すると整理しましょう。
ANSDは「OAE正常・ABR無反応」の組み合わせが特徴です。
【用語】
ABR:聴性脳幹反応のことで、音刺激に対する脳幹の電気的反応を記録する検査である。
DPOAE:歪成分耳音響放射のことで、外有毛細胞の働きを調べる検査である。
auditory neuropathy spectrum disorder:内耳の有毛細胞は機能するが、聴神経からの信号の伝達が乱れる聴覚障害である。
ASSR:聴性定常反応のことで、周波数ごとの聴力を他覚的に推定する検査である。
COR:条件詮索反応聴力検査のことで、音と光の刺激を組み合わせ乳幼児の聴力を調べる。
聴覚情報処理障害:聴力は正常でも、聞いた情報を脳で処理して理解することが困難な状態である。