小学校1年生の女児。
平仮名は習得した。
カタカナはその時だけ覚えているが、すぐ忘れてしまう。
WISC-Ⅳの各指標の下位検査評価点は以下の通りであった。
結果から今後の教科学習において困難になると考えられるものはどれか。
3つ選んでください
正解を3つ選んでください。
正答2・3・4
解説
正解は2と3と4です。
図は、WISC-Ⅳの4つの指標ごとの下位検査評価点です。
言語理解は類似5、単語4、理解3と、平均の10から大きく下がっています。
知覚推理は積木模様9、絵の概念7、行列推理8で、ほぼ平均域です。
ワーキングメモリーは数唱6、語音整列5とやや低く、処理速度は符号8、記号探し6です。
この子どもは言語理解が特に弱く、言語を使う学習で困難が予想されます。
【選択肢別解説】
1:× 字をきれいに書くことは、主に視覚と運動の協応や処理速度に関わります。
知覚推理や符号の評価点は比較的保たれており、最も困難になるとは考えにくいです。
2:○ 漢字を使って作文することは困難になると考えられます。
語彙力や言語表現力が必要であり、言語理解の低さとカタカナが定着しにくい記憶面の弱さが影響します。
3:○ 国語の文章読解問題は困難になると考えられます。
語彙や言語的な推理の力が必要であり、言語理解の低さが直接影響します。
4:○ 意見をまとめて発表することは困難になると考えられます。
考えを言葉で整理して表現する力が必要であり、言語理解の低さとワーキングメモリーの弱さが影響します。
5:× 図画工作の課題は、視覚的な情報処理や構成の力が中心です。
積木模様9など知覚推理が保たれているため、比較的取り組みやすいと考えられます。
【ポイント】
WISC-Ⅳの評価点は平均10、標準偏差3で、7未満は弱さと考えます。
指標間の差から得意・不得意を読み取り、得意な力を学習支援に生かします。
【用語】
WISC-Ⅳ:ウェクスラー児童用知能検査の第4版で、四つの指標から知的な能力を評価する。
言語理解:言葉の意味を理解して、言葉で考えたり表現したりする力を示す指標である。
知覚推理:視覚的な情報から、規則を見つけたり、図形を組み立てたりする力を示す指標である。
ワーキングメモリー:情報を一時的に覚えておきながら、同時に処理する力を示す指標である。
処理速度:単純な視覚的作業を、正確かつすばやく処理する力を示す指標である。
評価点:下位検査の得点を、年齢ごとの基準にもとづいて平均10の尺度にそろえた値である。