正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
末梢神経の構造と、神経伝導速度を左右する条件を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 髄鞘はシュワン細胞が形成しているという記述は正しいです。
末梢神経ではシュワン細胞が軸索に巻きついて髄鞘をつくります。
中枢神経ではオリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)が髄鞘をつくります。
2:× 静止膜電位は負であるという記述は正しいです。
静止時の細胞内は、細胞外に比べて約-70mVの負の電位に保たれています。
3:○ 体温が低下すると神経伝導速度は増加するという記述は誤りです。
体温が下がるとイオンチャネルの開閉が遅くなり、伝導速度は低下します。
そのため神経伝導検査では皮膚温を一定に保って測定します。
4:× 軸索の直径が大きいほど伝導速度は速いという記述は正しいです。
太い軸索ほど内部の電気抵抗が小さく、伝導が速くなります。
5:× 活動電位が全か無かの法則に従うという記述は正しいです。
刺激が閾値に達しなければ活動電位は生じず、閾値を超えれば刺激の強さにかかわらず一定の大きさの活動電位が生じます。
【ポイント】
伝導速度を速くする要因は「軸索が太い」「有髄である」「温度が高い」の3つです。
有髄線維ではランヴィエ絞輪の間を活動電位が飛び飛びに伝わる跳躍伝導により、無髄線維より速く伝わります。
【用語】
髄鞘:神経線維の軸索を取り巻く絶縁性の被膜で、興奮の伝わる速さを高める。
シュワン細胞:末梢神経で軸索に巻きついて髄鞘をつくる支持細胞である。
静止膜電位:神経や筋の細胞が興奮していないときに、細胞膜の内外に生じている電位差を指す。
全か無かの法則:刺激が閾値に達すれば一定の大きさの活動電位が生じ、達しなければ生じないという性質である。
跳躍伝導:有髄線維で、活動電位がランヴィエ絞輪の間を飛び飛びに伝わる現象である。