正答4
解説
正解は4です。
運動障害性構音障害は、障害される神経系の部位によってタイプが分かれます。
反射の消失と筋緊張の低下は、下位運動ニューロンの障害を示す所見です。
【選択肢別解説】
1:× 運動低下性構音障害は、パーキンソン病など大脳基底核の障害で生じます。
筋強剛による声量の低下や発話の加速がみられ、反射の消失はみられません。
2:× 運動過多性構音障害は、ハンチントン病など不随意運動を伴う疾患で生じます。
不規則な不随意運動で発話が乱れ、筋緊張の低下や反射の消失が特徴ではありません。
3:× 失調性構音障害は、小脳の障害で生じます。
発話のリズムや強さが不規則になる断綴性の発話が特徴で、反射の消失はみられません。
4:○ 弛緩性構音障害は、下位運動ニューロンや筋の障害で生じます。
筋緊張の低下、筋萎縮、反射の低下や消失がみられ、本例の所見と一致します。
5:× 痙性構音障害は、両側の上位運動ニューロンの障害で生じます。
筋緊張は亢進し、下顎反射などの反射も亢進します。
【ポイント】
「反射が消える・筋が緩む=下位運動ニューロン=弛緩性」「反射が亢進する・筋が硬い=上位運動ニューロン=痙性」と対比します。
弛緩性では、開鼻声や気息性の声もみられます。
【用語】
運動障害性構音障害:神経や筋の障害により、発声発語器官の運動が損なわれて生じる構音障害である。
弛緩性:下位運動ニューロンの障害により、筋緊張が低下する状態の性質を指す。
下位運動ニューロン:脳幹や脊髄から出て筋を直接支配する運動神経細胞で、障害されると筋緊張低下や筋萎縮を生じる。
軟口蓋反射:軟口蓋に触れると口蓋が持ち上がる反射で、神経の障害の有無を調べるときに用いられる。
痙性:上位運動ニューロンの障害により、筋緊張が高まって筋が硬くなる状態を指す。
失調性:小脳の障害により運動の協調が乱れる状態の性質で、発話のリズムや強さが不規則になる。