正答4
解説
正解は4です。
静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)を一連の病態としてまとめた呼び方です。
静脈でできた血栓がどこへ流れて詰まるかを、血流の向きから考えます。
【選択肢別解説】
1:× 門脈は塞栓部位ではありません。
下肢の静脈から遊離した血栓は下大静脈から右心系へ戻るため、腹部臓器から肝臓へ向かう門脈には入りません。
2:× 腎静脈は塞栓部位ではありません。
腎静脈は腎臓から下大静脈へ流れ出る血管なので、静脈血流に乗った血栓が逆流して詰まることは通常ありません。
3:× 冠状動脈は塞栓部位ではありません。
静脈血栓は右心系を経て肺に捕らえられるため、通常は左心系から出る冠状動脈には達しません。
卵円孔開存などがある場合の奇異性塞栓は例外です。
4:○ 肺動脈が塞栓部位です。
下肢や骨盤の深部静脈にできた血栓が遊離し、下大静脈、右心房、右心室を経て肺動脈に詰まります。
これが肺血栓塞栓症で、呼吸困難や胸痛、突然死の原因になります。
【ポイント】
静脈系の塞栓は肺へ、左心系や動脈系の塞栓は脳・腎・脾・下肢など全身の動脈へ飛ぶと覚えます。
長期臥床や下肢の骨折・手術後はDVTの危険因子です。